電力自由化によってさまざまな電力会社から
電力を購入できるようになり、大手電力会社からの
乗り換えを検討している人も多いと思います。
しかし、そもそも地域によっても電力料金に
差があることはあまり知られていません。

今回は、電気料金の地域差にスポットをあてて
検証していきましょう。

各地域の電力料金ランキング

意外にも、電気料金は
地域によって大きな差があります。
下の表は、一般家庭において
基本料金30A、1か月300kWhの電力を
使用したときの月電気料金をまとめたものです。

地域の電力料金ランキング
1位 北海道電力:9,420円
2位 沖縄電力:8,055円
3位 東京電力:8,010円
4位 中部電力:7,920円
5位 東北電力:7,779円
6位 四国電力:7,489円
7位 中国電力:7,464円
8位 九州電力:7,137円
9位 関西電力:7,101円
10位 北陸電力:6,778円

※2021年3月時点の各社料金表を元に、
基本料金(もしくは最低利用料金)と
従量電力量料金の合計金額を表示
(小数点以下は切り捨て)
※北海道・東北・東京・北陸・中部・九州は従量電灯B、関西・中国・四国は従量電灯A、沖縄は従量電灯にて計算。

電気料金の改定ごとに多少の順位の変動は
ありますが、上位と下位であまり
大きな変動は見られません。
表を見ると、1位の北海道電力管内と
10位の北陸電力管内では約2,600円の差があります。

この電気料金の差は、基本料金(最低料金)と
使った電気の分だけ料金が発生する
従量料金の差によるものです。

電気料金の計算方法

一般家庭の電気料金は、基本料金(最低料金)に
従量料金とさまざまな調整費(燃料調整費、
再生可能エネルギー賦課金など)を加算する
ことで決定されます。
従量料金は通常3段階に分かれており、
電気を使えば使うほど1kWh当たりの
電気料金は上がっていきます。

夏・冬に電気料金が急に高くなったように
感じるのは、そもそも電気料金の単価が
違うせいもあるのです。

地域ごとに電気料金が違う理由

それでは、地域によって
なぜここまで電気料金が違うのでしょうか。

電気・ガス・水道などの公共料金は、
「総括原価方式」によって料金が決まっています。
総括原価方式とは、インフラを供給する原価に
適切な利潤を乗せて料金を決定する方式です。
この原価の算定が各電力会社によって
違ってくるために、料金に違いが出てくるのです。

燃料費の違い

最も電気料金に影響を与えるのは
燃料費の違いです。
日本では原子力発電所が停止されており、
ほとんどの電力は火力発電所で発電されています。
火力発電所の燃料は、石油、天然ガス、
石炭などですが、燃料の調達方法や燃料の構成
によって原価に差が出てくるのです。

とくに、北陸電力の電気料金が安いのは、
北陸電力管内では水力発電の割合が高いことが
大きく影響しています。

北海道電力は発電コストが高い石油火力の割合が
4分の1を占めるため、
電気料金が割高になっているのです。

発電所からの距離の違い

発電所からの距離が遠ければ遠いほど、
電気料金が高くなる傾向があります。
これは、発電された電気が
送電線を通ってくる間にロスが発生するために、
同じ量の電力を送るためには
多くの電気を発電しなければならないことに
なり、発電コストが上がるためです。

北海道電力や東京電力は、
電力の主な消費地から発電所が離れているために、
結果的に電気料金にはね返ってきています。

送電に関わる設備の維持管理費用の違い

送電のための設備の維持管理費用も
電力料金に影響を与えます。

発電所から需要地までの距離が遠いと、
送電線、鉄塔、変電設備を多数設置
しなければなりません。

そのメンテナンスや点検、大雨・地震など
災害時の復旧費用などがかさみます。
これらも電気料金のコストアップ要因です。

 

次回も引き続き「地方と都心の電気代の違いを解説
についてご紹介します。

 


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