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コンスピ広報です。

今回は、YOUTUBEのコンスピリート公式チャンネルにて配信させていただきました第51回:不動産経営でQOLを爆上げよう!の内容をお送りしたいと思います。

不動産投資家のみなさん、
これから不動産経営を志すみなさん、
必ず目にしているであろう用語、
「イールドギャップ」。

「Yield」は日本語訳では「利回り」となり、「Gap」は差となりますから、イールドギャップは直訳では単に「利回りの差」という意味になります。

一般的には、「物件の表面利回り-借入金利」という解説になっていることが多いように思います。

例えば表面利回り8%の物件があり、これを金利3%の借入で購入した場合、イールドギャップは5%だよね、という認識です。

ここの差が大きければ利益が残る、と認識されていることが大半のようですが、厳密に言うとこの「表面利回り-借入金利」がイールドギャップという考え方は誤りとなります。

結論を先に申し上げるなら、
「ものさしが違うものを比較しても意味がない」
ということですね。

まず第一に「利益が残るかどうか」を切り口とするなら、単年の投資効果をものさしの一方とする必要があります。

したがって、比較対象に用いるレートとしては、FCR(Free&Clearly Return)が適切といえます。

FCRは「真の利回り」とも言われますが、空室損や未収損、購入時の諸費用なども織り込んでいるため、実質利回りよりもさらに実態に近いレートとなります。

FCRの求め方としては、

NOI÷総投資額×100

という計算式となります。
ここでいう総投資額とは、
物件の購入価格+購入諸費用+初期の修繕コスト
まで含めて計算をします。

仮に前述の例、表面利回り8%の物件のFCRを(仮)で出してみましょう。

物件価格5000万円、満室想定年間賃料が400万円、
利回り8%の物件を購入したとします。

ただし、単年で見た場合、満室想定賃料の10%の空室損が発生し、運営費は20%だったとします。

となると、NOI(営業純利益)は、

年間満室想定賃料400万円
▲空室損40万円(10%)
▲運営費80万円(20%)
=280万円(NOI)

ということになります。

また、総投資額も、
物件価格は5000万円ですが、
購入諸費用に350万円、
初期修繕工事に100万円かかったとすると、
合計5450万円。

つまり、FCRは、
280万円÷5450万円×100=5.14%
となりました。

さて、今日のお題イールドギャップを求めるために、FCRと比較するためのもう一方のレートを出さなければいけませんね。

冒頭でも言った通り、単年の投資効果で測るとすると、FCRとものさしを揃えるためには、「K%(ローン定数)」が適切です。

単に「借入金利」で比べても、返済期間(=時間)の要素が抜けてしまっているので、FCRに対してものさしが揃いません。

ローン定数=K%は、借入金利と返済期間によって決まる指標で、不動産経営を行っていくうえでの「調達コスト」と言えます。
融資をしている金融機関側の視点から見た場合の「利回り」とも言い換えられますね。

K%は、
年間返済額(ADS)÷総借入金額×100
という計算式で求められます。

仮に今回の場合、借入金利は3%でしたが、もう少し融資条件を付加して考えてみましょう。

5000万円の物件価格の90%となる4500万円を、金利3%、返済期間30年で借入したとします。

月の返済額は189720円、
年間返済額(ADS)は2276640円となります。
仮に購入初年の総借入額4500万円で計算すると、
2276640円-4500万円×100=5.06%、
これがこの投資案件のK%になりますね。

これでようやく比較する数値が出揃いました。

FCR:5.14%-K%:5.06%=0.08%

イールドギャップは0.08%という何とも頼りない数値になってしまいました。
「表面利回り-借入金利」という計算では
8%-3%=5%
だったはずですが、ものさしを揃えて実態に近づけてみると、ここまでイールドギャップは下方修正されるわけです。

しかも、K%は年々借入額=残債が落ちていくので、元利均等方式で返済額に変動がない場合、上昇していく傾向になります。

とはいえ、イールドギャップも他の判断指標同様、「何パーセント以上だから安心」とか、絶対と言い切れるものではありません。

不動産経営は常に数値が変動しますし、投資方針として頭金を大きく入れ、借入額を減らして返済期間を短くするという姿勢の方も当然おられます。

ただやはり大切なのは、こうした判断指標の定義や計算方法を知っておくこと、それを判断材料に投資可否を決められることだと思います。

「イールドギャップが大きいから大丈夫ですよ!利益出ますよ!」と営業担当に言われても鵜呑みにせず、ご自身で判断できる鍛錬を積まれておくことをお勧めします。

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それでは、コンスピ広報でした!

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