今回は、前回の続き、宅建士が活躍する舞台について解説します。
■宅建士が活躍する舞台
宅建士は不動産のプロフェッショナルであり、
その活躍の場の中心は不動産業界であることは間違いありません。
そうであるにも関わらず、なぜ毎年20万人もの受験者がいるのでしょうか。
それは、宅建士の活躍の場が多岐にわたっているからであることに他なりません。
では、その活躍の舞台の一部を紹介しましょう。
■不動産・建設業界
一口に不動産・建設業界といっても、不動産に関する業務は
専門的な知識・スキルが求められるために業種別に特化して営業しているのが通常です。
例えば、地元密着の不動産賃貸管理会社、マンション開発に特化したデベロッパー、
戸建開発業者、あるいはビルやホテルの売買・投資を主業務として行う会社、といった具合です。
同じ不動産会社でも、不動産賃貸の業務と売買の業務では全く内容が異なります。
またマンション開発など大規模な不動産開発が関係してくると、
土地の売買、建物の設計・建築、内装や仕様の決定、販売営業、
住宅ローン手続き、アフターフォロー・管理と宅建士それぞれが専門的な業務を担当します。
場合によっては、プロジェクトの旗振り役として建築士、建設会社、弁護士、税理士と折衝することもあります。
ダイナミックに街が変わっていくのを体感できる素晴らしい仕事です。
■金融・ファンド業界
次に宅建士が多い業界は、金融・ファンド業界です。
意外に思われるかもしれませんが、日本では金融の中心は不動産担保貸付であるため、
銀行の融資担当者は不動産の知識が不可欠なのです。
また、資産運用や遺産相続の相談には、不動産の活用や売却が必ずといっていいほど関係してきます。
そのため、銀行、信託銀行にも宅建士が多く活躍しています。
また、M&A業務やファンド組成を行うときも、
不動産の評価をどのように考えるかという問題に直面することが往々にしてあります。
不動産鑑定士や税理士などの専門家に対して、実務的な意見を述べることが期待されているのが宅建士です。
■一般企業の店舗開発部門・テナント出店部門
一般企業でも宅建士の不動産の知識が役立つ業務はたくさんあります。
その中でも、飲食店やコンビニエンスストア、
ドラッグストア、スーパーなどの店舗開発部門で働く人の中には宅建士が多いです。
出店の時には、ショッピングセンターやテナントビルなど建物がある場合もあれば、
土地を活用して店舗を建設する場合もあります。
その際には単なる賃貸借だけではなく、複雑な法的手法を駆使して
テナントと地主(建物所有者)の間を取り持つ役割を果たします。
宅建士試験で得た知識がダイレクトに活かせることから、
一般企業でも宅建士を目指す人が増えているのです。
■不動産業界で役立つその他の資格
宅建士は不動産業界の資格の登竜門です。
宅建士だけでも十分に不動産業界でやっていくことはできますが、
専門領域によってはほかの資格も取得する人もいます。
最近注目されているのは、マンション管理士です。
大都市圏ではマンションの数が増え続けて、中にはずさんな管理がなされているところもあります。
マンション管理士は、管理組合からの相談や大規模修繕計画の立案などを行って、適切なマンション管理を推進します。
また、不動産コンサルティング技能士を取得してコンサルティング能力を高めようと努力する人もいます。
相続コンサルティングや不動産運用コンサルティングなど、資産面、財務面から顧客に専門的な知見を提供します。
不動産関連の資格のなかでも最も難易度が高いのは不動産鑑定士です。
土地やビルに投資するときには、不動産鑑定事務所に鑑定評価を依頼して価格交渉の参考にします。
金額が数十億円となるような土地や商業ビルの売買においては、鑑定評価が不可欠です。
このような規模の取引になると、銀行に投資資金の融資を相談するときに、
必ずといっていいほど不動産鑑定士の鑑定評価が求められます。
■まとめ
宅建士は不動産取引のプロフェッショナルとして不動産取引を成功させる役割を担っています。
仲介者として取引の重要事項を説明するほか、
不動産プロジェクトの真ん中に立って関係する専門家をまとめるのも宅建士の役割です。
不動産業界の外でも、金融業界、一般企業でも宅建士の資格はアピールポイントになります。
ぜひ皆さんも宅建士を目指してみてはいかがでしょうか。
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