どうも、コンスピのCPMはせがわであります。
社内の各セクションでここのブログ記事を持ち回り制にしまして(数か月前から)。
餅は餅屋で各現場の“生の声”を読み物にできるので、
記事の振れ幅も少しバラエティに富んできたよなぁ、と我ながら思っています。
で、そんななか。
各セクションで思いの外触れられていないと思った、
「一棟収益物件の大規模修繕」の考え方を今回は取り上げてみたいと、斯様に思う次第です。
「区分収益物件」のラクさの一つは、管理組合の下にBMの会社がいて、
この会社が音頭をとりながら「管理費・修繕積立金」を各オーナーから徴収することで
オーナー側が大規模修繕のセルフ検討・セルフ手配をする手間を軽減している点です。
これは、絶対にラクです。
さて、一方で「一棟収益物件(マンション・アパート)」の場合。
当たり前のことですが、一棟ではワンオーナーが建物を所有しています。
ということは、シンプルに一棟全体の費用負担も、
意思決定も“おひとり”で行うということになります。
はい、ここ当たり前。
また、大規模修繕工事のボリュームも、
木造・軽鉄なのか、S造・RCなのかで全く変わってきます。
ボリュームの小さい木造・軽鉄であれば、
そもそもさほど「躯体がバカでかい」ことも、
「重たい設備」が乗っかっていることもありません。
出口として、解体⇒土地として売却、または建て直しという選択肢もあります。
対して、S造・RC造の場合は、
そう簡単に解体ができるものでもなく、
やはり「計画的にもたせる」視点が必要となります。
費用が大きくなる箇所は以下のようなところですね。
・鉄部の改修と塗装工事
・シーリングの改修工事
・屋根や屋上の防水改修
・外壁の補修工事
・バルコニーなどの防水改修
・エレベーターの交換工事
・アルミ部の改修工事
・給排水管・貯水槽交換工事
はせがわのセミナー【The BASE】内でも結構頻繁に申し上げていますが、
不動産経営が「人に使って貰ってマネタイズ」する利殖である以上、
入居者さんやテナントに「不便をかけた」時点で、
ロスの可能性を引き上げてしまっていると考えるべきです。
とはいえ、オーナーさんの立場になれば、出費は抑えたいのは当然の話。
ここからは管理会社の采配にもよるとは思うのですが、
いかに「計画的」に資金運びができるのか、ということだと個人的には思います。
「いつ来るかわからない」
「いくらくるのかわからない」
最低でもこの2点をある程度可視化するだけでも、
オーナーさんの不安は軽減できるはずだと思っています。
そのときのポイントは、
やはり「Capex⇒Opex化」という考え方なのでは、と。
(※詳細は「キャッシュフローツリー」解説ブログ、YouTube動画、
またははせがわのセミナーをご参照いただけると…)
Capexは「資本的支出」を指すわけですが、
ざっくり言えば「急に来て、しかも金額が大きい」支出です。
逆に「Opex」は「運用費」ですから、
維持の為に日常的にかかる支出となります。
Capexは一撃が大きい分、キャッシュフローを毀損させる要因となるため、
これをいかに「Opex」へ変換できておけるか、が
ポイントになりますよ、というお話ですね。
…と、難しく言ってますけど、
要するに「準備しておきましょう」という。
途端にシンプルですけどもね。
区分同様『長期修繕計画』を
きちんと運用していく、
計画と同時に資金計画もリンクさせていく、
ここの一言に尽きます。
大規模修繕をある意味アウトソースできる点で
区分は確かに心労は軽いかもしれないですが、
裏を返せば「自己コントロール下」にはおけないため、
一長一短ではあります。
重要なのは、
「いつか大きな工事が来るかも…怖いな…」と
恐れおののくことではなく、
合理的・論理的に考えて、
敵を“見える化”しておくこと、です。
このあたりの見立ても、
コンスピのカウンセリングでは承ることが可能ですので、
ぜひ便利に使って頂ければと思います。
(最後だけ宣伝です)
それでは、今回はこのへんで。
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このブログを書いた人
CPM 長谷川 悠介
CPM(米国公認不動産経営管理士)有資格者が様々な分野についてわかりやすく説明します。