木造家屋であっても、メンテナンス次第では数十年間住むことができます。
しかし、昨今の大型台風や大地震の影響で傷みが早くなっている一戸建ても少なくありません。
特に古い木造一戸建ては耐震性の面で劣ることが多く、解体・建替えをすることも多くなっています。
その時に問題になるのが一戸建ての解体費用です。

今回は、一戸建ての解体について、
費用相場、解体のメリット・デメリット、解体の際に起きがちなトラブルを紹介します。
これから一戸建ての建て替えや住み替えを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

一戸建ての解体費用の相場

一戸建ての解体費用は、その構造と広さ(家屋の延床面積)でおおよその金額が定まってきます。
これは、延床面積が大きい建物だと工数がかかるために人工代や重機代がかさむこと、
また鉄骨造や鉄筋コンクリート造だと解体に時間がかかり撤去費用が大きいからです。

具体的には
木造一戸建てならば坪(約3.3㎡)3万円から5万円
鉄骨造だと坪5万円から7万円、
RC造は坪6万円から8万円

ぐらいというのが解体費用の目安になります。

このように解体費用には幅があります。
隣地との距離や障害物の関係で重機が入りにくかったり、
足場を余計に組まなければならなかったりと、立地や周辺環境によっても解体費用は変わってきます。

解体を依頼するときには、現地確認の上できちんとした見積もりを作成してもらうことが大切です。

一戸建てを解体するメリット

一戸建てを解体するのは手間がかかりますが、家屋を解体撤去することによる大きなメリットがあります。
それは、更地にすることで不動産を売却しやすくなること、
そして火災や倒壊、犯罪によるトラブルを回避することができることです。

所有不動産を売却しやすくなる

不動産を売却するときに、古い家屋が建ったままの状態と更地の状態では、
更地の方が売却までの時間が短く、売却価格も高くなります

家屋があった方が、家屋の価値が加算されて高く売れるのではないかとも思われがちですが、
現在の日本の不動産市場では、古い民家はほとんど価値がありません。

むしろ、解体費用を差し引いた金額で取引されます。
更地だと土地活用の選択肢が広まり、自由に建物を建築することができる分、売れやすいのです。

空き家トラブルを回避できる

昨今では空き家問題が深刻化し、特に地方では老朽化した家屋が残ってしまっていることがよくあります。
空き家を放っておくと、どんどん劣化して大地震や台風の被害を受けやすくなります。

また、貼り紙を勝手に貼られたり、スプレーで落書きされたり、
ガラスを割られたりという犯罪に巻き込まれることも少なくありません。
このような事態に陥ってしまうと近隣に迷惑が掛かりますし、
最悪の場合には第三者に被害が及ぶこともあります。

このようなことにならないために、政府は「空き家特措法」を制定・施行しました。
これにより、行政は空き家管理の指導・勧告ができるようになり、従わない場合の罰則も併せて設けられたのです。

今後は空き家の管理についても厳しい目が向けられることになります。
最も合理的な管理方法は、利用されなくなった一戸建てを解体・撤去してしまうことです。
解体・撤去することで、空き家トラブルの心配から解放されます。

一戸建てを解体するデメリット

使わない一戸建てを解体することには大きなメリットがあります。
それでは、なぜ古い家屋を放置しておくケースがみられるのでしょうか。

大きな理由は、固定資産税の軽減措置が使えなくなること、
そして解体費用を捻出することが難しいケースがあることにあります。

固定資産税の軽減制度が使えなくなる

土地上に居住用の建物があると、土地の固定資産税が軽減される特例があります。
具体的には200㎡までの部分について土地の固定資産税が6分の1に軽減されます。
200㎡以上の部分についても3分の1に軽減されます。

したがって、土地を売却する予定がない限り、
建物を放置しておいた方が固定資産税は安く済むため、放置される一戸建てが多いのです。

解体費用がかさむ場合がある

一戸建ての解体費用は木造家屋であっても2百万円から3百万円の費用がかかります。
一般の人にとっては大きな負担で、簡単に捻出できる金額ではありません。

また、障害物や前面道路の広さ、建物の大きさによっては、解体費用が予想よりもオーバーしてしまうこともあります。
そのために、解体したくても解体できずに放置されてしまうというケースも後を絶ちません。

次回は一戸建て解体の注意点についてご紹介します。

このブログを書いた人

コンスピリート・ブログライター
コンスピリートの公式ブログライターが 不動産に関するお役立ち情報をお届けします。