昨今では、個人間のニーズをつなぐ様々なマッチングサイトやアプリがリリースされています。
そんな中で、不動産業界にも売り手と買い手を直接つなげるWebサービスが見受けられるようになりました。
今回は不動産売買のマッチングサイトについて、その特徴や活用するときの注意点についてご紹介します。
安易に利用するとトラブルに巻き込まれる可能性がありますので、サービスの特徴を慎重に見極めながら活用しましょう。
不動産売買マッチングサイトとは
不動産売買のマッチングサイトとは、不動産を売りたい人と買いたい人をWebサービス上で直接つなげるサイトです。
今までもさまざまな不動産情報サイトがありましたが、売り手は宅建業者に仲介を依頼し、宅建業者がサイトに物件情報を掲載する方式が一般的でした。
最近出てきたマッチングサイトでは、不動産を所有する個人が直接物件情報を掲載し、買い手となる個人が直接売り手にアプローチできるのが特徴です。
マッチングサイト利用の流れ
売主が不動産売買のマッチングサイトを利用するときには、ユーザー登録をしたうえで自ら物件情報を登録するのが一般的です。
物件情報を掲載するときには、運営側のサポートを受けることができるサイトもあります。
買主は、サイト上に掲載されている物件情報を確認して、直接売主にコンタクトを取り、情報収集・現地確認、契約条件の交渉を行います。
報酬については、通常の仲介手数料(減額されていることもあります)を支払う方式、売主が掲載料のみ支払う方式、掲載料もかからない方式と、サイトによって様々です。
不動産売買マッチングサイトを活用するメリット
マッチングサイトを活用する最大のメリットは、仲介手数料が安い、もしくは全くかからないことです。
マッチングサイト上で繋がった売主・買主間で交渉が成立し個人間のみで契約、引渡まで行うならば仲介手数料がかからないサイトも多くなっています。
通常の不動産売買の仲介では、原則として物件価格の3%プラス6万円(税抜)を上限とする仲介手数料を宅建業者に支払う必要があります。
物件価格が高額になれば、仲介手数料も高くなりますので、サイトを活用することでかなり費用を抑えられます。
また、山林や田舎の土地、市街地から遠く離れた空き家など、不動産業者に敬遠されがちな物件についてもマッチングサイト上で買主を募集することができます。
価格や契約条件についてはルールに縛られずに決めることができるため、取引の自由度が高いサービスであるといえます。
不動産売買マッチングサイトを活用するデメリット
一方で、多くの不動産売買マッチングサイトでは、売主・買主が直接交渉をし、契約・引渡まで自ら行うことを前提としているため、手続きや書類作成の手間がかかります。
不動産売買に関する関連書類の収集や契約書類の作成には専門的な知識を必要とするために、誰でも気軽に行えるものでもないでしょう。
また、宅建業者ではない個人は不動産売買に慣れていないことが多いために、契約トラブルも多くなりがちです。
特に契約後に不具合や契約条項の不備が発見された場合のサポートは万全ではないことが多いために、そのようなリスクを理解したうえで利用することになります。
さらに、個人間での売買で宅建業者が仲介に入っていない取引の場合、実務的には売買対象となる不動産を担保に融資を受けることができません。
金融機関は、売買対象の不動産を担保に融資を行う場合に、宅建業者が作成した重要事項説明書や売買契約書の提出を求めるからです。
したがって、買主は売買代金について、他の方法で調達しなければならないことになります。
次回は「不動産売買のマッチングサイトを活用するときの3つの注意点」についてご紹介します。
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