前回の「さまざまなマンション犯罪事例」に続き、マンションのセキュリティ強化対策についてご説明します。
賃貸マンションを選ぶ際に、防犯対策がしっかりしているかどうかを重視する人は多いことでしょう。
大家さんとしてはぜひ期待に応えたいところですが、防犯対策工事の内容によっては費用がかさむものもあります。
今回はマンションの防犯対策について、費用相場も含めて徹底解説します。
マンションのセキュリティ強化対策5選
築年数の新しいマンションであればあるほど、ある程度の防犯設備は標準装備になっているといっても過言ではありません。
特に、人通りの少ない路地や薄暗い路地に立地しているマンションであれば、防犯対策は入居率に大きくかかわってくるでしょう。
中には設備投資がかさむものもありますが、入所者の安心のためにも一度設置を検討してみてはいかがでしょうか。
防犯フィルムを貼る
防犯フィルムとは、窓ガラスに貼って窓を割れにくくするフィルムです。
空き巣は侵入に時間がかかったり、大きな音を立てたりすることを嫌います。防犯フィルムを貼ると、金属バットでフルスイングしても窓は割れず、中に入るためには何度も大きな音を立ててガラスをたたかなければなりません。
道路に面した1階の住戸だけでもフィルムを貼っておくと安心です。
費用相場は平米当たり20,000円から25,000円です。
防犯カメラを設置する
エントランスをはじめ、外から見えにくく侵入の可能性がある場所には、防犯カメラを取り付けているマンションが増えています。
防犯カメラで撮影された画像は、有線もしくはWi-fiによるインターネット回線で送信しサーバー等に保存します。
そのため、電源の位置やインターネット回線の位置によって最適な防犯カメラを選択しなければなりません。
不安であれば、取付業者に現地調査をしてもらい、配線の有無や取付工法、取り付けられる防犯カメラの種類を確認してもらいましょう。
ダミーカメラは安価でどこにでも取り付けられますが、どの程度効果があるかは疑問が残るところです。
費用相場は1台当たり工事費用込みで5万円から10万円と考えておけばよいでしょう。
センサーライトを設置する
センサーライトとは、人感センサーがついているライトで、人が近づくと照明がつくことで、犯人の侵入を防止するものです。
昼間は効果がありませんが、防犯対策をしっかりしているマンションであることをアピールすることができます。
コンセント式のもののほうが照度は高いために効果が期待できますが、配線の状況によっては乾電池式のものを設置することもあります。
費用は1台あたり設置費用込みで10,000円から15,000円程度です。
柵やフェンスを設置する
自転車置き場が外から入れるところにあったり、通用口の扉の横に隙間があったりするようなマンションは防犯上問題です。外から入れないようにフェンスを設置する、低い塀にはその上に柵を追加して設置するなどの対策が必要です。
素材は一般的な網目状のフェンスのほか、薄い板状のアルミを何枚も並べた形状をしている目隠しフェンスなどがあります。
費用相場は素材や支柱の本数、土台の工事等によってまちまちですが、網目状のタイプのもので1m当たり7,000円から15,000円程度、目隠しのアルミ・スチールタイプで1m当たり25,000円から40,000円程度です。
モニター付きインターホンを設置する
モニター付きインターホンは、以前はファミリータイプの高級賃貸マンションにしかありませんでしたが、防犯意識の高まりから、近年ではワンルームマンションにも設置されるケースが増えています。
荷物や食事の宅配は置き配も多いために、特に女性はモニター付きインターホンがあるところを条件に部屋を探すことも多いでしょう。
後付けでインターホンを設置する場合には、全戸まとめて工事をすることになりますので、大掛かりな工事になります。
エントランスにオートロックを後付けするタイミングでモニター付きインターホンに変えてしまうケースも多いようです。
費用はマンションの規模によって異なりますが、1戸あたり10万円から15万円、個数が多くなれば単価も安くなる傾向にあります。
ホームセキュリティシステムを導入する
かなり費用が掛かりますが、警備会社と契約してホームセキュリティシステムを導入する方法もあります。
ドアや窓ガラスなどにセンサーを取り付け、異常があった場合にはすぐに駆け付ける体制が整っていますので、防犯上は最高レベルの品質といえるでしょう。
もっとも全戸についてシステムを導入するのは費用面で難しいかもしれません。
マンションの場合、1戸単位での導入も可能ですので、入居の際にオプションで提案してみてはいかがでしょうか。
費用は、初期費用で5万円から10万円、月々5,000円から10,000円程度です。
防犯意識の高いマンションをアピールする
マンション犯罪を100%防止することは難しいかもしれませんが、防犯意識の高いマンションであることをアピールすることで犯罪者を遠ざけることは可能です。共用部分の管理が行き届いており、照明や監視カメラが適切に設置されているマンションには泥棒も入りづらいでしょう。
セキュリティの強化が入居率の改善にもつながることもあります。所有物件のセキュリティが不十分と感じるならば、これを機会にぜひ見直してみてください。
コンスピリートでは不動産管理会社の視点で、サイト内に学べるコンテンツを豊富に取り揃えております。
このブログを書いた人
コンスピリート・ブログライター
コンスピリートの公式ブログライターが
不動産に関するお役立ち情報をお届けします。