アパート経営は、初期費用を比較的抑えられるために初心者に人気の不動産投資です。
しかし、当初の資金計画が甘かったことで、資金不足に陥ってしまう投資家も少なくありません。
今回は前回の続き「アパート経営と税金」についてご紹介します。
アパート経営と税金
不動産業者が作成する事業計画には、すべての税金が考慮されているわけではありません。初期投資については慎重に検討するために、税金についても盛り込まれている場合が多いですが、投資期間中の税金については軽視されがちです。
しっかりと項目立てて資金計画に盛り込んでいきましょう。
所得税・住民税
所得税・住民税は、一年間の利益に対して課される税金です。個人の場合、不動産所得として分けて所得を算出しますが、最終的には他の所得と合算された金額に累進課税の税率を掛けて税額を出します(総合課税)。不動産所得が赤字ならば、他の所得と損益通算することで所得税・住民税を抑えることができます。
個人事業税
事業として行っている不動産の貸付業・売買業・駐車場経営には個人所得税が課されます。
所得から290万円を控除した額に税率5%を乗じて算出します。
「事業として行っている」の判定が難しいところですが、収入や借入金額、アパートの場合は10室以上の貸付けか、などを総合的に判断して決定します。
固定資産税・都市計画税
土地・建物の課税評価額に一定の税率(原則として固定資産税は1.4%、都市計画税は0.3%)を掛けて算出されます。毎年春に課税決定通知書と納付書が市区町村より送付されてきますので、納付期限までに支払います。
住宅用地については軽減措置があり、アパートも軽減の対象です。
消費税
消費税はなじみの深い税金です。事業者の場合は、受け取った消費税から支払った消費税を差し引いてその差額を申告納付します。
アパートの場合には居住用不動産の貸付けとして、また駐車場の貸付は土地の賃貸にあたり、それぞれ非課税とされています。一方、事業用に賃貸しているオフィスの賃料には消費税がかかるために10%の消費税を受け取ることになります。
登録免許税・不動産取得税・印紙税
登録免許税・不動産取得税・印紙税は主に不動産購入の際にかかる税金です。
登録免許税は不動産登記のための税金で司法書士からの請求に含まれていますし、印紙税は契約書に貼付する印紙代ですので、忘れることはないでしょう。
不動産取得税については物件取得から数か月後に都道府県より納付書が送付されてきます。住宅の場合、税率は土地・建物ともに固定資産税評価額の3%ですが、一部軽減措置があります。
資金計画はキャッシュフロー中心に
アパート経営における資金管理は複雑なものではありません。もっとも、税金が絡んでくると当初想定していた資金計画とのずれが生じて資金に詰まってしまうことがあります。
税金も考慮に入れたキャッシュフローの収支を中心に資金計画を立てることで、安定した賃貸経営が可能になるでしょう。不慣れな人は、不動産投資の専門家や顧問税理士に相談しながら、二人三脚で経営をしていくことをおすすめします。
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