いつもご覧いただきありがとうございます。
コンスピ広報です。
今回は、YOUTUBEのコンスピリート公式チャンネルにて配信させていただきました第33回:不動産経営でQOLを爆上げよう!の内容をお送りしたいと思います。
収益不動産界隈での今年の大きなトピックの一つ、「一棟マンション・一棟アパートオーナーの修繕積立金が損金として計上可能になる」というニュースを解説してみたいと思います。
賃貸物件の空き家問題と、大規模修繕の関係
当社が管理受託をしているオーナーさんの中にも、経済的に厳しく、物件の維持メンテナンスが行き届かなくなっていく、というケースがあります。
賃貸物件の空き家問題と、大規模修繕が計画的に行えないという問題、実は根っこでは繋がっている部分もあります。
修繕がままならないということは、当然思ったようにリーシングも進まなくなっていきます。
賃貸の稼働率も次第にじり貧に陥って、負のスパイラルに入っていく、というのも収益悪化のよくあるパターンです。
結果ほぼ空き家状態となり、火災の危険性が増したり、犯罪の温床にもなりかねない等、地域の安全に影を落とすことにもなりかねません。
共済制度ができた原因
この修繕費用が捻出できないという問題には、いくつかの要因が考えられますが、その一つに「修繕費用の積立」がオーナーの自主性に委ねられているという点が挙げられます。
よく言えば自主性に委ねる、となりますが、要は何もルール化・制度化されておらず、縛りもないということになります。
ご存知の通り、区分マンションの場合は、区分所有法によって修繕積立金の徴収がルール化されているため、管理状態は余程のことがない限り比較的良好に維持されやすいと言えます。
また、区分マンションの修繕積立金は、損金として確定申告で経費計上することも可能です。
一方、一棟物件の場合は、先述の通り縛りがないため、物件ごとに管理状態にはバラつきが発生しやすくなります。
さらに、あくまで自主的取り組みであるがゆえに個人的に修繕資金を積み立てていたとしても、それは損金としては取り扱われません。
こうした流れから、一棟オーナーが修繕費用を積立しやすくなる仕組みが以前から求められていた訳です。
そして、昨年2021年10月に国交省から事業認可が下り、一棟オーナーが修繕資金を積み立てられる共済制度が今年2022年にスタートすることになりました。
全国賃貸住宅修繕共済協同組合
この共済を運営するのは、「全国賃貸住宅修繕共済協同組合」で、
・全国賃貸管理ビジネス協会
・公益財団法人日本賃貸住宅管理協会
・公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会
の3団体が立ち上げたものです。
当面はこの3団体に加盟している管理会社から「代理店」を募り、代理店経由で共済加入を推進していくとしています。(※コンスピも日本賃貸住宅管理協会の会員です。)
共済制度の詳細
この共済制度で大きいのは、やはり修繕積立を共済掛金とすることで、損金として認められ、経費計上が可能となる点です。
掛金の上限額は動画収録時点ではまだ公表されていませんが、加入オーナーは一定額を積み立てて行く形態になると予想されます。
対象となる修繕箇所は、外壁と屋根に限定されており、給排水管や空調、水回りへの拡大も今後検討されていくようです。
詳細はまだ未発表ですが、現在分かっている範囲でいくと、
・積立期間は10年~50年
・月払いか、年払いを選択できる
・積立金は修繕工事実施時に支払われる
・加入条件は、木造で築30年以内、RCで築40年以内
・個人でも法人でも加入可能
となっています。
「長期修繕計画」の作成が必須
この共済が普及すれば、業界全体へのインパクトも非常に大きいものと思いますが、懸念材料があるとすると、共済を利用するには「長期修繕計画」の作成が必須であるという点です。
個人のオーナーが「長期修繕計画」を自主的に作成していることは稀です。
制度開始に当たっては、代理店となる管理会社も全面的に協力し、オーナーと歩調を合わせていく必要があります。
ただ、長期修繕計画の立案ノウハウのある管理会社ばかりではありませんし、慢性的な人手不足と言われる管理業界で、その作成にリソースを割けるか、というのも個人的には気になっている点です。
とはいえ、画期的な制度であることは間違いありません。
一棟オーナーの皆さんも、ぜひ今後の共済制度の動きに注目して頂ければと思います。
不動産経営について学ぶ
よろしければコンスピリート公式チャンネルも是非ご覧ください。
チャンネル登録、高評価もよろしくお願いします!
それでは、コンスピ広報でした!
このブログを書いた人
コンスピリート広報
自社の認知度、ブランド力を向上するために社内、社外に向けて情報発信をしています。市場、競合、自社の調査や分析からリーチ方法を明確化しプロモーション活動を行います。