A:私たちが納めている所得税・住民税は、給与額から各種控除がされた後の「課税所得」によって税額が決められています。
例え不動産から賃料収入を得ているとしても、減価償却や借入金利子など、経費を計上することで「帳簿上赤字」という扱いになり、この赤字を給与の「課税所得」と合算(=損益通算)することで課税所得が下がります。つまり、課税所得が下がったことで納税額を減らせる場合があります。
これが「不動産経営で節税ができる」という仕組みの根拠です。
この場合、年に一度確定申告を行うことで予め引かれた所得税が還付される事になります(住民税は翌年納める税額が軽減される)。ただし、この節税効果は永続的なものではありません。また、平成28年4月より減価償却方法も変更されており、『節税のみをメリットとして』ご購入されることには賛成できません。
物件の売却時に関わってくる「簿価計算」にも影響しますので、この節税効果のメリットとデメリットをよく把握しておいてください。(『税金との付き合い方』もご覧ください)
A:住宅ローン控除(住宅取得等特別控除)の適用を受けるためには「ご自身の居住用」であることが要件となります。
収益不動産の購入は「第三者を賃借人として居住させること」が目的ですから、この要件には該当しません。よって、住宅ローン控除の適用を受けることはできません。
A:相続税の課税金額を決める際、現預金で保有しているとその金額の100%が課税対象となります。
しかし、不動産の場合は、税法の規定に基づいて相続税路線価(公示地価の8割程度の評価)を基に課税金額が決まります。
更に対象不動産に賃借人が付いていたり、ローンの残債があれば評価額から軽減または控除されるため、相続税対策に有利だと言われます。
例えば5,000万円を現預金で持っているよりも、路線価で2,000万円程度にしかならない5,000万円以上(市場価格)の不動産に替えておけば、課税金額を下げられるということです。
平成27年1月の相続税改正によって課税対象者の裾野が拡がったことを受け、不動産による相続税対策が最注目されるようになりました。
これに目を付けて、一時期「タワーマンション節税」なるものも登場しましたが、 これは1階の部屋も最上階の部屋も全く路線価は変わらないという仕組みを 逆手に取った手法です。路線価は同額ですが、市場価格は最上階の方が高いため、そこをローンで購入しておけば間違いなく課税金額が下がるということです。ただし、こうした手法を封じる風向きもあり、「法律はいずれ変わるもの」という前提で考えておく方が肝要だと思われます。
A:
1、印紙税(国税)
売買時にかかる税金です。「不動産売買契約書」や、「金銭消費貸借契約書(銀行との融資契約)」に貼付するものです。印紙を購入し、該当する書類に貼付したことで納付したとみなされます。万一この印紙貼付を怠ると、3倍の過怠税が課されますのでご注意下さい。
2、登録免許税(国税)
物件を購入して登記をする際に一度だけかかる税金です。一般的には登記料の中に組み込まれています。登記料の内訳は、司法書士への報酬とこの登録免許税で成り立っています。逆に自身が売却をする際にローンが残っている場合、「抹消登記料」がかかります。
金額は物件ごとに異なりますので、確認が必要になります。
3、不動産取得税(都道府県税)
相続以外で不動産を取得した際に、一度だけかかる税金です。
「自己居住用、50㎡以上」等の軽減要件を満たしている場合は課税免除となっているため、自宅購入の経験しかない方は存在を知らないケースもあります。
取得から支払いまでタイムラグがあるので、きちんと予算を取っておくようにしましょう。
4、固定資産税/都市計画税(市区町村税)
不動産にかかる税金の中で唯一毎年課税されるもので、ランニングコストに分類されます。不動産を保有している事で課せられるもので、各市区町村の課税台帳の評価額に基づいて課税されます。金額は物件ごとに異なり、また評価額も3年に一度見直しが実施されます。
4期に分けての分納と、一括納入のいずれかを選択することができます。
5、譲渡所得税(国税)
保有物件を売却(譲渡)して利益が発生した場合に支払う所得税です。
売却額から当初購入金額を差し引いて利益が残っていれば、これが課税所得となります。保有期間によって税率が異なるのが特徴です。
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